昨日は実車のTS807台車シリーズを紹介しましたが、模型ではどの程度再現されているのでしょうか。
現時点で存在するTS807台車を模した製品は、
Nゲージだと
1.グリーンマックス:TS807(単品・セット品各種)
2.トミーテック:鉄コレ東急8000系・8500系、静鉄A3000形取付品
3.マイクロエース:リゾート21、αリゾート21取付品
4.カトー:リゾート21取付品
くらいでしょうか。
細かく探せばさらにあるでしょうが、
ようはTS807シリーズを履いた車輛を模型化していれば、
代用していない限りついてくるわけで……
このうち最も手に入れやすいのは1のGMと2の鉄コレでしょう。
また、4のカトーもASSY在庫があれば比較的手に入れやすいと思います。
しかし、現実的に考えれば鉄コレは台車単品買いはできないし、カトーはリゾート21の再販
がなければASSYもまずないはず。マイクロは論外といったところで、実質GM一択の状況です。
左:GM 右:鉄コレ

どちらもぱっと見でもTS807ですのでいいでしょう。
わざわざ改造や自作するほど出来に不満を感じる人も少ないのでは。
上:GM 下:鉄コレ

横からです。よくみれば鉄コレには側梁に縁取りがあり、GMにはありません。
軸箱の肉抜き穴の数や側梁の両肩欠き取り角の緩急をみても、GMがTS807Aタイプを
しっかり再現できているのがわかります。鉄コレは鉄コレでTS807無印の形状通りです。
しかし、GMには側梁下に見えるはずの基礎ブレーキ装置がまったく再現されておらず、
この点では鉄コレに軍配が上がりそう。
もっとも、サハなら本来ついていないのでいらないわけですが。
逆に、台車中央の枕梁上にある枕ばねはGMにしか表現がありません。
ただし、実車を見てみると基礎ブレーキ装置は外からでも比較的よく見えるのに対し、
枕ばねはかなり下から覗き込むように見ない限り見えません。
あと、軸ばねを避けるように側梁が外へ湾曲していますが、
このあたりの表現は鉄コレのほうが似ていると思います。
参考までに実車がこちら。
TS807

TS807A

模型と比較してみてください。両者の違いをよく再現していることがわかります。
というか、単純にプロトタイプが違ったということでしょう。
ただし、両者とも決定的に違うのが軸距です。
GMの台車がいつも意図的に小振りに作られているのは割と有名だと思いますが、
TS807も例外ではありませんでした。
TS807シリーズは2200mmですので、Nゲージなら1/150で14.666…mmとなります。
しかし、GMは13.5mm、しかも鉄コレもほぼ同様の結果でした。
その差1.17mmと細かいですが、実車換算で18cm程度短いわけですから
なんとなーくシルエットに違和感がでてもおかしくない差ですね。
ということで下に実車と模型を比べた写真を載せます。

赤線は、一番上の実車写真を基準として、
横線を側梁上辺と左軸中心に、縦線を左右輪軸中心と枕梁中心に配置しています。
つまり、左の側梁上辺と輪軸を基準にしているので、
誤差があれば下側と右側にいくにつれて誤差が生じるはずです。
すると、やはり上下方向には適切な縮尺で表現されているのに対し、レール長手方向には
すこし短く表現されていることがわかります。
ということで、ここまでTS807の実車と模型の観察をしてきましたが、いかがでしょうか。
一般的に楽しむ分には模型は十分再現されているといえますが、
写真からも、基礎ブレーキ装置と側梁の縁取り、軸距は見た目にわかりやすいため、
このあたりの作り分けや再現は重要だと思います。
2018.06.25追記
台車の細かい表現なんて普段はそこまで気に留めませんが、
一度気になってしまうとこだわりたくなるものです。
こちらの記事にて3DCAD+3Dプリンタで
TS807/815台車をより忠実に製作してみました。
現時点で存在するTS807台車を模した製品は、
Nゲージだと
1.グリーンマックス:TS807(単品・セット品各種)
2.トミーテック:鉄コレ東急8000系・8500系、静鉄A3000形取付品
3.マイクロエース:リゾート21、αリゾート21取付品
4.カトー:リゾート21取付品
くらいでしょうか。
細かく探せばさらにあるでしょうが、
ようはTS807シリーズを履いた車輛を模型化していれば、
代用していない限りついてくるわけで……
このうち最も手に入れやすいのは1のGMと2の鉄コレでしょう。
また、4のカトーもASSY在庫があれば比較的手に入れやすいと思います。
しかし、現実的に考えれば鉄コレは台車単品買いはできないし、カトーはリゾート21の再販
がなければASSYもまずないはず。マイクロは論外といったところで、実質GM一択の状況です。
左:GM 右:鉄コレ

どちらもぱっと見でもTS807ですのでいいでしょう。
わざわざ改造や自作するほど出来に不満を感じる人も少ないのでは。
上:GM 下:鉄コレ

横からです。よくみれば鉄コレには側梁に縁取りがあり、GMにはありません。
軸箱の肉抜き穴の数や側梁の両肩欠き取り角の緩急をみても、GMがTS807Aタイプを
しっかり再現できているのがわかります。鉄コレは鉄コレでTS807無印の形状通りです。
しかし、GMには側梁下に見えるはずの基礎ブレーキ装置がまったく再現されておらず、
この点では鉄コレに軍配が上がりそう。
もっとも、サハなら本来ついていないのでいらないわけですが。
逆に、台車中央の枕梁上にある枕ばねはGMにしか表現がありません。
ただし、実車を見てみると基礎ブレーキ装置は外からでも比較的よく見えるのに対し、
枕ばねはかなり下から覗き込むように見ない限り見えません。
あと、軸ばねを避けるように側梁が外へ湾曲していますが、
このあたりの表現は鉄コレのほうが似ていると思います。
参考までに実車がこちら。
TS807

TS807A

模型と比較してみてください。両者の違いをよく再現していることがわかります。
というか、単純にプロトタイプが違ったということでしょう。
ただし、両者とも決定的に違うのが軸距です。
GMの台車がいつも意図的に小振りに作られているのは割と有名だと思いますが、
TS807も例外ではありませんでした。
TS807シリーズは2200mmですので、Nゲージなら1/150で14.666…mmとなります。
しかし、GMは13.5mm、しかも鉄コレもほぼ同様の結果でした。
その差1.17mmと細かいですが、実車換算で18cm程度短いわけですから
なんとなーくシルエットに違和感がでてもおかしくない差ですね。
ということで下に実車と模型を比べた写真を載せます。

赤線は、一番上の実車写真を基準として、
横線を側梁上辺と左軸中心に、縦線を左右輪軸中心と枕梁中心に配置しています。
つまり、左の側梁上辺と輪軸を基準にしているので、
誤差があれば下側と右側にいくにつれて誤差が生じるはずです。
すると、やはり上下方向には適切な縮尺で表現されているのに対し、レール長手方向には
すこし短く表現されていることがわかります。
ということで、ここまでTS807の実車と模型の観察をしてきましたが、いかがでしょうか。
一般的に楽しむ分には模型は十分再現されているといえますが、
写真からも、基礎ブレーキ装置と側梁の縁取り、軸距は見た目にわかりやすいため、
このあたりの作り分けや再現は重要だと思います。
2018.06.25追記
台車の細かい表現なんて普段はそこまで気に留めませんが、
一度気になってしまうとこだわりたくなるものです。
こちらの記事にて3DCAD+3Dプリンタで
TS807/815台車をより忠実に製作してみました。
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