今まで過去に撮りためた写真から銀色電車たちの魅力的な姿をお送りしてまいりました。
それはそれで重要なのですが、そもそもこのブログは”研究室”と名乗っている通り、
銀色電車すなわち東急ステンレスカーの様々な形態や歴史等を記録・蒐集し
模型作りの参考や知的好奇心を満たす資料となるべく立ち上げております。

ということで、今日はそうした資料の第1段として東急8000系列に使用されている
TS807/TS815シリーズ台車にクローズアップしてみます。
資料用ですので、細部がわかるよう露出設定やコントラスト等を調整しています。

2012年3月某日 高津にて 車番不明 TS807台車
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2012年3月某日 高津にて 東急8623F デハ8623 渋谷方・海側 TS807台車
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最も基本となるTS807台車。M車は踏面ブレーキのため基礎ブレーキ装置が側梁下に見えます。
写真2枚目は先頭車のため、渋谷方に排障器が取り付けられているのが見えます。
写真1枚目には軸受外側にNSKの刻印がありますので、軸受けは日本精工のもののようです。
しかし同じTS807台車でも刻印のないもの(写真2枚目)もあるため、
どういった基準で刻印の有無が分かれているのでしょうか。
ご存知の方がいらっしゃいましたらご教示願います。

2018年2月某日 藤が丘にて 東急8634F デハ8887 渋谷方・海側 TS807A台車
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東急8000系10次車以降では、側梁をプレス成型としたTS807A台車が採用されています。
このA型を採用したのは形式別で以下の車輛からとなります。
デハ8100 8148 
デハ8200 8237
デハ8700 8743 
デハ8800 8823 
サハ8900 8920
デハ8500 8530
デハ8600 8630
10次車からは車側灯周辺のコルゲート処理も変更されており、特に8500系では
外観上大きな変化をもたらしたマイナーチェンジでした。
この中には8630Fの先頭車も含まれており、非軽量車の先頭車として唯一の形態となっています。

TS807A台車についてですが、
TS807台車では側梁の外周にぐるりと溶接痕のような縁取りが見られますが、
TS807Aではそれがなく丸みを帯びているのがわかります。
また、側梁両端の欠き取り形状が急角度になっていたり、軸箱守の肉抜き穴?が減っています。

2012年3月某日 高津にて 東急8606F サハ8923 中央林間方・海側 TS815A台車
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こちらはT車用のTS815A台車。
T車はディスクブレーキ採用のため、側梁下に基礎ブレーキ装置が見えません。

このほか、塗油器設置のため側梁外側に塗油器用の支持梁を渡したものや、
8642Fの三相誘導電動機取付用のC形、東急8000系クハ8000のパイオニア台車置換用、
軸距の短い7600系、7700系用など、様々なバリエーションがあります。

本日はここまでとして、明日は模型のTS807シリーズを見てみましょう。