村上春樹氏の小説、"世界の終わりとハードボイルドワンダーランド"はご存知でしょうか?
この小説の、「"世界の終わり"とはまさにこんな感じなのか……」、と思わずにはいられないのが、晩秋~冬の美瑛です。
別に街を取り囲む高い壁や門番がいるわけではないのですが、なんというか丘と森林と遠くの山並みと、そして冷たい風が"世界の終わり"で描かれる街を思い起こさせるのです。
模型製作も十分楽しいものですが、たまにはニッパーを机において、心震わせる情景に出会ってみませんか?
これで通算3回目の訪問となる美瑛の丘に吸い寄せられた私のスナップをご覧ください。
BGMにはブラームスやシベリウスを、お飲み物には熱いコーヒーかスコッチをストレートでどうぞ。
丘
・白い家
・空高く、畝なだらかに
・きらきら黄金色
――――――
美瑛は"丘のまち"と言われます。
広大なスケール感をより印象付ける要因には、丘の高低差によって生まれるパースにあるのではないでしょうか?
帯広の十勝平野のような広大さも魅力ですが、美瑛の丘が生み出すパースは遠くを見渡せる視界だけでなく、4枚目のような大空をバックにした背景や、5枚目のような凹凸が生み出す陰影の伸びのように、起伏に富んでいるのが面白いところです。
樹
・スキップで登る♪
――――――
フォトジェニックな樹々にシャッターを押す手が止まらないのが美瑛の良いところ。
セブンスターの木やケンとメリーの木、クリスマスツリーの木といった、丘の中にポツンと立つひとりぼっちのはぐれモノたちのなんと美しいことでしょう。
今回も色々な"樹"を見て回りましたが、なんだかんだ観光地化されていないそこら辺の木が十分にフォトジェニックなんですよね。
というわけで、ここでは3枚目の"親子の木"以外全て無名の樹々です。
白い樹皮は多分白樺でしょうが、それ以外についてはわからず……
勉強不足で申し訳ないです……
1枚目は拓真館近くで撮影したのですが、この階段の先に腰掛けるスペースがあり、そこで横になるととてつもなく気持ちよかったのが印象的でしたね。
ちょうどいい気候の中、ぼーっと空を見上げるのは個人的な旅の醍醐味の一つです。
4枚目の、半逆光という環境下で撮影した紅葉の白樺の中から望む丘の様子はお気に入りの一枚。
樹々の下に積もる落ち葉に白樺の影が落ちて何とも秋らしい写真になりました。
花
・暖かい日の残り香
・季節の変わり目
・主役交代
――――――
美瑛の花のシーズンは10月で終了ですが、10月末に四季彩の丘を訪ねるとギリギリではありますが鮮やかに咲いてました!
おそらくサルビアの花だと思いますが、樹々と同様花々も詳しくないので何とも……
でもこうして秋色と一緒に鮮やかな花たちを楽しめるとは思っていなかったので、その色のコントラストに感心しきり!シャッター押しまくりなのでありました……(笑)
もちろんシーズン中なら色鮮やかに多種多様な花が出迎えてくれますので、次こそは夏に訪れたいものです。
3枚目は上富良野のフラワーパークですが、秋空の下ひまわりが盛大に枯れ果てていました。
1年後にまた素晴らしい大輪の花を咲かせることに期待しつつ、盛者必衰の景色に儚さを感じずにはいられません。
空と雲
・一寸の光陰
・蒼の丘、星屑につつまれて
――――――
この項で紹介する前にも空と雲の魅力は十分に伝わっている気がしますが、やっぱり美瑛の空模様は"劇的"といえます。
この日は天気予報の上では実は雨だったのですが、雲の隙間から陽の光がスッと差し込むのです。
そう思ったのもつかの間、土砂降りの雨に見舞われたりもするので気が気でないのですが、刻々と変化する空の様子に敏感になるのは実に野性的な気がします。
3枚目は、雲の隙間から斜光が差し込む"光芒"と呼ばれる現象で、注視していれば都会でもたまに見られる現象ですが、美瑛で見る光芒はやはり美しい。
この時はちょうどビニールハウスの丸っこい天井に光が反射してちょっとSF風味でした。
4枚目の星景写真は、この記事の1番最初の写真"白い家"と同様のポイントから撮影しています。
バックに美瑛の街灯りを受けているおかげで、夜空の深淵とのコントラストがよりくっきりとなりました。
――――――
さて、久々に鉄道や模型とは何の関係も無い記事をお送りいたしましたが、美瑛の景色はいかがでしたでしょうか?
撮影データや撮影場所も記した方がよかったかもしれませんね。
美瑛の美しさに魅せられた写真家は数多く、私の写真とは比べ物にならない、言葉では言い表せないような素晴らしい写真が数多く収められております。
インスタ映えの時代ですから美しい写真をものにしたい気持ちも大切ですが、なによりその景色を肉眼で、肌で、体で感じてほしいものです。
あなたもカメラ片手に美瑛へ行ってみませんか?
旭川空港から車で20分程度とアクセスが良いのも魅力!
コメント
コメント一覧 (4)
自分は幼い頃に8500系で育ち、この3月まであの音と車内の香りに癒されてました。
そして…4月から憧れの北海道に移住!現在は十勝に住んでいますが、美瑛の風景も好きでたびたび足を運んでいます。
まさか、当研究室で美瑛の話題を目にするとは思いませんでした。
大好きな8500系と美瑛の風景をとりあげていただき、とても嬉しく思い、また感慨深いものがあります。
これからも楽しみにしています!
頑張ってください!!
北海道に移住とは羨ましい限りですね!
美瑛の風景は大学時代に訪れて以来虜になってしまい、その後も何度か足を運んでおります。
8500系が活躍する都会とは全く異なる日本離れした光景は、高揚感と癒しを同時に与えてくれますよね。
写真の枚数的には、田園都市線に次ぐシャッター数を美瑛の風景が稼いでいます(笑)
引き続き8500系や模型の記事を中心に、美しい風景写真記を交えながらブログを続けてまいりますので、どうぞよろしくお願い致します。
日本でも外国でもなく、美瑛は夢の世界と言ってしまいたいくらい、本当に素敵なところですね!
北海道いいですよ〜。
8500系が引退したら、北海道生活にシフトしてはいかがでしょう(^_^)??
美瑛は夢の世界ですが・・十勝平野に根釧原野、北見や美幌町・大空町あたり、、道東にはザ・ホッカイドウなところが多いんですよねぇ。
あぁ…北海道らしさは少し落ちるけど、ニセコ周辺の山々もいいなぁ
利尻や野付半島あたりは次の訪問候補ですが、なかなかに遠くていつになることやら……
残念ながら北海道生活はしばらく難しそうですが、マイルを貯めつつ今後も足しげく通いたいと思います。