前回の続きです。
3DCADで設計した5200系を出力してみました。
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まずはお届け状態をご覧ください。
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今回発注分です。
登場時3両仕様・床下機器&台車枠なしで安価に手を出せるようなセットにしています。
後日デハ5211単品を出して4連化することも可能とします。
さらに更新仕様や地方譲渡仕様もバリエーション展開したいところですが、時代によって形態が違うため、どの形態を出すべきか迷うところです。

床下機器&台車は入手性を考えてGM製対応としましたが、台車はどちらかというとTOMIXのTS-301がジャストの形態です。しかしこちらは入手難&取付方法が違うのでこちらで設計したいところ。
床下機器も既製品で再現するのはなかなか困難ですよね。
ですが如何せん時間が……

なお製品版ではさらに付属品が付いたり一部設計が変更されるかもしれませんが、
大方このような状態でお届けとなります。


前面&妻面アップ
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連結器&胴受けは車体前端から生えるように飛び出ているので、いっそ一体成型にしてしまえ!
ということでこのようになっています。強度的にもこのほうが安心です。
基本的に他車との先頭車同士の併結は東横線時代の4+2連以外なかったので問題ないとは思いますが、どうしても連結させたい場合はカットしてください。
ただ連結器部をカットしてしまうと元に戻せないので、元に戻せるよう別途ダミー連結器&胴受けをセットするかもしれません。


先頭車側面アップ
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前頭部との分割線は"くの字"の前頭形状の稜線に合わせて分割しています。
乗務員扉前縁の方が分割線が目立ちにくいような気もしましたが、そうすると3Dプリント時に前頭部側面に積層痕が目立つ可能性が高いためこのようになりました。
結局分割線に沿って継目を消すヤスリ掛けをするのは変わりありませんから、この位置のほうがヤスリ掛けしやすいというのもあります。


屋根前頭部をご覧ください。
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配管もそれらしく再現。デハ5201と5202で左右対称になる部分も再現していますので、組立の際はご注意ください。
浮かした配管類は非常に壊れやすいので、洗浄時うっかりゴシゴシやると台無しに……


組んでみました。
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いつも通り部品同士の合いは綺麗ですが、やはり完璧を目指すなら継目消しを行うことを推奨します。
これまでの8500系などと同様、ヘッド・テールライトや種別灯は埋まっていますが、アクリルの透過性を利用して点灯化対応が可能です(電飾は要工夫ですが……)
塗装前に写真のようにマスキングゾルやテープでマスキングしておきましょう。


前から
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この形状を旧5000系キットの改造で再現しようとした先人達には頭が下がります。


サフを吹いてディテールチェックです。
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あ、カッコいい……(笑)
くの字のボディにゴツいコルゲートが5200らしいですね。

表面のヤスリ掛けを全くしていないので積層痕が目立ってしまいますね。
目立つ箇所を重点的にヤスリ掛けしていきます。
特にこの形式のように、プリント時にZ軸と平行にならない面が出る場所が多いと積層痕が出やすいですね。

実は出力にあたり、どれくらい積層痕が出るのかを試すため中間車のCAD配列を変えていました。
実験概要は下図の通りです。
5200系では上下にすぼまる形状のため、吹寄せ部か腰板部のどちらかをZ軸平面として置いても、もう片方は平面にならないため積層痕が出るはずです。
パターンAでは吹寄せ部をZ軸平面に置き、目立ちやすい箇所の積層痕を無くす代わりに腰板に積層痕を集中させます。
パターンBでは側面作図平面をZ軸平面に置き、吹寄せと腰板双方に積層痕ができる代わりにパターンAの腰板部よりは積層痕が目立ちにくいような配置としました。
プレゼンテーション1

それでは結果をご覧ください。

パターンA:先頭車Mc5200
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吹寄せ部をZ軸と直交する平面に置いたため、窓周囲には理論上は積層痕が出ないはずです。
サフを吹いた限りここまで拡大しても積層痕らしい痕は確認できません。
逆に腰板、幕板部はZ軸平面に対して斜めになるので積層痕が付きますが、幸い5200系はコルゲートで覆われるのであまり目立ちません。
コルゲートは積層痕対策にも一役買ってくれるようです。

パターンB:中間車T5250
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こちらは側面作図基準面をZ軸平面に置いたため、くの字に折れ曲がる5200系では窓下の折れ線を境に上下とも勾配がつく形となります。
結果はご覧の通りで、吹寄せ部は2°程度のテーパーにもかかわらずくっきりと筋状の積層痕が入ってしまいました。
ただ、コルゲートのある腰板部分はパターンAよりも平面に近づくため、わずかながら綺麗に出力されているような気もします。

実験の結果、当たり前ではありますが、わずかな勾配でも積層痕が表れることがわかりましたので、目立つ部分はZ軸平面と平行になるよう配置することが大事なようです。


妻板
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妻板には検査表記板や銘板のモールドを付けました。
先の8000系や8500系ではこのモールドを省略していますが、これは2000年中ごろに検査表記板の掲示が中止されたためです。
もっとも、この2形式は妻板が平たんですのでインレタで対応できますが、5200系はコルゲート上にあるためモールドがないと何かと不便でしょうから、あってしかるべきとも言えますが……

なお、中間に入るT車・M車の表記板・銘板掲示は片側のみなので組立の際は注意が必要です。


前面
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まさに湯たんぽですね。
今見ても前衛的なスタイルだと思いますが、うまく再現できたと思います。
個人的には連結器胴受けがそれっぽく出来ててニンマリ^^

登場時スタイルなので向かって左にも手すりが付きます。
ワイパー根元や標識掛けもディテールを付けたはずですが、埋まってしまいましたね……


屋根前頭部
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前頭部屋根の配管を目立たせて撮影した画像をご覧下さい。
いやはやこの繊細さは自画自賛したくなりますね。
苦労して描いた甲斐がありました。
パンタ台も面倒臭がりつつボルト表現を付けた結果、ええ感じに仕上がっております。

避雷器も旧型の大きな箱状のものを再現しています。
通風器の微細なディテールにも注目してください。


さて、塗装した姿を早く拝みたいところですが、いろいろ立て込んでいますので本日はここまで。
次回は発売予告と共にお届けしたいところです!