デハ3450と3499の3Dプリントキットはおかげさまでご好評いただいており、
大変うれしいところですが、これだけでは終わりません。
何せ3450形といえば50両全車のディテールに違いがあるばかりでなく、
オール3450の編成は田園都市・大井町線時代を除きあまり一般的ではないので
編成を組めるよう3450形以外の車両たちも作らなくてはならないのです。
というわけで、前回はこんなのを作っていたわけであります。
クハ3850です。
3450形は全車M車で付随車は存在しませんでしたが、
編成が伸びるとM車比率が高くなりすぎるため不経済でした。
そこで制御付随車として旧3000系列で最後発の増備形式となったのがこのクハ3850でした。
前回までに車体と作りかけのYS-T1台車をご紹介しましたが、
今回全て完成させました。
ランボードは3450形よりも少し背の高い取付足を再現。
YS-T1台車も完成。
台車側梁の大きな肉抜き穴に軸ばね部の武骨さが特徴的です。
既製品では代替不能な台車も3DCADなら忠実に再現できます。
3Dプリントしてみました。
今回もDMMのアクリル樹脂Ultra modeにて出力です。
8000系と同時プリントしておきました。
一度に造形したほうが単価は安くなります。
恩田風の情景で。
いっそ長津田工場モジュールでも作って製作中の模型を並べておけばそれらしくなりそうです。
箱にします。
GMエコノミーキットを作ったことがあれば難しいことはありません。
むしろ3Dプリンタの精度が高いため、古い板キットよりも組むのは簡単かもしれないですね。
Ultra modeながら積層痕(というよりインクジェット方式特有の木目のような模様)は少なく、
600番の紙やすりで平面部分を撫でればあらかたOKでした。
Xtreme modeならさらに滑らかな表面を得られることでしょう。
ちなみに反対側のランボードが作成中に取れてしまったため屋根板だけ再造形を依頼しました。
ランボード取付足は0.3mm×0.3mmと超繊細設計だったため、さすがに強度に難があったようです。
再造形にあたっては少し太めに設計しなおしています。
組立は瞬間接着剤です。ゼリー状のものと液状のものの2種があると使いやすいでしょう。
まず接合部にゼリー状の接着剤を点付けし、接合位置を合わせたら、
裏側から液状の接着剤を毛細管現象を利用して流し込むように差します。
ちょうどタミヤセメントの一般タイプと流し込みタイプの使い分けと同じですね。
連結器とベンチレーターは実は一体成型です。
プラ製鉄道模型やプラモデルで一般的な射出成型では、抜き勾配を設定する都合上
細かいパーツを一体成型にするとディテールを省略せざるを得ないことが多々あるため
リアルを追求すると別パーツとすることが求められますが、
3Dプリンタでは抜き勾配の概念を考慮する必要がないため一体成型でも作り込みが可能なのです。
むしろ、塗分けが不必要な箇所に関しては積極的に一体成型を活用することで、
細かい表現と強度を両立することが可能だったりします。
サフを吹いてみました。
番号は#1200です。
クハ3850海坊主は張り上げ屋根となったため、
屋根肩部の前面と側面の接合部分がどうしても目立ってしまいます。
隙間があればパテやゼリー状の瞬着を盛りつけ、硬化したらやすりで整えます。
この継目消しがうまくいくと海坊主の見栄えもグンとアップするはずです。
なお屋根板は再造形品が来たら別途接合します。
YS-T1台車もこの通り。
側梁やペデスタルの形状に近代化過渡期のオリジナリティを感じますね。
ボルトの凸表現や両抱きブレーキユニットの細い形状も十分に再現されています。
3450形のボールドウィン台車と並べてみました。
旧3000系列でも、最後発の3850形用であるYS-T1台車はずいぶん近代的な外観になりました。
早く完成させたいですね!
さて、3850形のお供には3450形ですが、
先に製品化したデハ3450とデハ3499はどちらも屋根再更新後の最晩年スタイルなので、
入換や牽引用、予備車運用ならともかくクハ3850と合わせるには少々不都合があります。
というわけでこちらも製作中……
デハ3452
デハ3451
デハ3452+デハ3451+クハ3861の最晩年コンビですね!
塗装も最後の検査で旧色ツートンカラーになっていました。
各車の特徴です。
デハ3452はこの予備パンタ台跡が目立ちます。
デハ3450とは違い、予備パンタ台そのものや小型ベンチレーターは撤去されており、
ランボードだけがパンタ部を避けるように配置されているのが特徴です。
屋根のリベット表現もいい感じですが、造形時に再現されるかが少し心配。
デハ3451は中間車化されておりました。
乗務員扉及び貫通扉は木製で窓下に凹みがあるタイプ。
また、乗務員扉は高さが原型の低いタイプで、ヘッダーもそれに合わせて低いのが特徴です。
また、デハ3451の車側灯は製造当初の砲弾型を装備。
古めかしく厳ついですよね。
まだデハ3452+3451は造形していませんが、
3850形との組み合わせが楽しみです!
本日はここまで。
次はデハ3452+3451の造形結果をお伝えできればと思います。
大変うれしいところですが、これだけでは終わりません。
何せ3450形といえば50両全車のディテールに違いがあるばかりでなく、
オール3450の編成は田園都市・大井町線時代を除きあまり一般的ではないので
編成を組めるよう3450形以外の車両たちも作らなくてはならないのです。
というわけで、前回はこんなのを作っていたわけであります。
クハ3850です。
3450形は全車M車で付随車は存在しませんでしたが、
編成が伸びるとM車比率が高くなりすぎるため不経済でした。
そこで制御付随車として旧3000系列で最後発の増備形式となったのがこのクハ3850でした。
前回までに車体と作りかけのYS-T1台車をご紹介しましたが、
今回全て完成させました。
ランボードは3450形よりも少し背の高い取付足を再現。
YS-T1台車も完成。
台車側梁の大きな肉抜き穴に軸ばね部の武骨さが特徴的です。
既製品では代替不能な台車も3DCADなら忠実に再現できます。
3Dプリントしてみました。
今回もDMMのアクリル樹脂Ultra modeにて出力です。
8000系と同時プリントしておきました。
一度に造形したほうが単価は安くなります。
恩田風の情景で。
いっそ長津田工場モジュールでも作って製作中の模型を並べておけばそれらしくなりそうです。
箱にします。
GMエコノミーキットを作ったことがあれば難しいことはありません。
むしろ3Dプリンタの精度が高いため、古い板キットよりも組むのは簡単かもしれないですね。
Ultra modeながら積層痕(というよりインクジェット方式特有の木目のような模様)は少なく、
600番の紙やすりで平面部分を撫でればあらかたOKでした。
Xtreme modeならさらに滑らかな表面を得られることでしょう。
ちなみに反対側のランボードが作成中に取れてしまったため屋根板だけ再造形を依頼しました。
ランボード取付足は0.3mm×0.3mmと超繊細設計だったため、さすがに強度に難があったようです。
再造形にあたっては少し太めに設計しなおしています。
組立は瞬間接着剤です。ゼリー状のものと液状のものの2種があると使いやすいでしょう。
まず接合部にゼリー状の接着剤を点付けし、接合位置を合わせたら、
裏側から液状の接着剤を毛細管現象を利用して流し込むように差します。
ちょうどタミヤセメントの一般タイプと流し込みタイプの使い分けと同じですね。
連結器とベンチレーターは実は一体成型です。
プラ製鉄道模型やプラモデルで一般的な射出成型では、抜き勾配を設定する都合上
細かいパーツを一体成型にするとディテールを省略せざるを得ないことが多々あるため
リアルを追求すると別パーツとすることが求められますが、
3Dプリンタでは抜き勾配の概念を考慮する必要がないため一体成型でも作り込みが可能なのです。
むしろ、塗分けが不必要な箇所に関しては積極的に一体成型を活用することで、
細かい表現と強度を両立することが可能だったりします。
サフを吹いてみました。
番号は#1200です。
クハ3850海坊主は張り上げ屋根となったため、
屋根肩部の前面と側面の接合部分がどうしても目立ってしまいます。
隙間があればパテやゼリー状の瞬着を盛りつけ、硬化したらやすりで整えます。
この継目消しがうまくいくと海坊主の見栄えもグンとアップするはずです。
なお屋根板は再造形品が来たら別途接合します。
YS-T1台車もこの通り。
側梁やペデスタルの形状に近代化過渡期のオリジナリティを感じますね。
ボルトの凸表現や両抱きブレーキユニットの細い形状も十分に再現されています。
3450形のボールドウィン台車と並べてみました。
旧3000系列でも、最後発の3850形用であるYS-T1台車はずいぶん近代的な外観になりました。
早く完成させたいですね!
さて、3850形のお供には3450形ですが、
先に製品化したデハ3450とデハ3499はどちらも屋根再更新後の最晩年スタイルなので、
入換や牽引用、予備車運用ならともかくクハ3850と合わせるには少々不都合があります。
というわけでこちらも製作中……
デハ3452
デハ3451
デハ3452+デハ3451+クハ3861の最晩年コンビですね!
塗装も最後の検査で旧色ツートンカラーになっていました。
各車の特徴です。
デハ3452はこの予備パンタ台跡が目立ちます。
デハ3450とは違い、予備パンタ台そのものや小型ベンチレーターは撤去されており、
ランボードだけがパンタ部を避けるように配置されているのが特徴です。
屋根のリベット表現もいい感じですが、造形時に再現されるかが少し心配。
デハ3451は中間車化されておりました。
乗務員扉及び貫通扉は木製で窓下に凹みがあるタイプ。
また、乗務員扉は高さが原型の低いタイプで、ヘッダーもそれに合わせて低いのが特徴です。
また、デハ3451の車側灯は製造当初の砲弾型を装備。
古めかしく厳ついですよね。
まだデハ3452+3451は造形していませんが、
3850形との組み合わせが楽しみです!
本日はここまで。
次はデハ3452+3451の造形結果をお伝えできればと思います。
コメント
コメント一覧 (6)
私の目が悪いのでなければ、戸袋窓のアルミサッシも、他の二段窓と同様に段がついているように見えるのですが…
実写の戸袋窓は、当たり前ですが扉が中に引き込まれてくる以上は開けられない為、上下段が一体になっていてツライチなっていますので、せっかく細かいディテールに拘っているのにちょっと勿体無さすぎないかなー、と…
作る苦労もしていないのに茶々を入れるようで、大変心苦しいのではありますが…
日車(3450、3451、3452)の屋根肩が薄すぎる…というか、屋根断面形状が川車(3499)のそれと同じに見えるのですがどうでしょうか?
その1の記事に電バスの取材写真(日車3450と川車3456)の屋根写真がありますが、日車は肩が丸く厚くなっているのに対し、川車は屋根が(旧7000系みたいな)単一Rっぽい形状であるのは分かるかと思いますが、例えばこちら
http://tsurikakedensha.blogspot.com/2013/10/blog-post_27.html
の1枚めと2枚めで、後ろの3850を基準に比べると違いがよく分かるかと…
本当にツッコミばかりで申し訳ないのですが…
実物じゃなくて3Dだから違って見えるだけ、でしょうか…??
ご指摘いただいた点について回答させていただきます。
1点目の戸袋窓サッシ部の段差についてですが、こちらは意図的に作り分けを省略しております。
この部分の表現は、あまり目立たない割にCADによる作図工程の煩雑さがネックとなってしまうため、1/150スケールでは作り分けを省略させていただきました。
なお、弊ブランドにおいてCAD設計上で0.1mm以下の凹凸は基本的に省略・ないしデフォルメすることとしています。
これは、3Dプリントメーカーさんが提示する出力解像度の仕様未満の精細さとなってしまうためであり、3Dプリンタの状態によってはそのような微細な凹凸は表現されない場合もあり得ます。
今回はサッシ部の段差を0.1mmで表現していますが、あくまでおまけ的な表現となることをご了承ください。
こちらは実車写真と図面(形式図)をCAD上に取り込んだうえで投影描画しています。
下記公式Twitterにて日車製と川崎製および日車デハ3450屋根再更新後の屋根形状について比較画像を載せておりますので合わせてご参照ください。
https://twitter.com/nanofactory1/status/1127189708285419526
なお、今回モデル化したデハ3450は80年代に屋根を再更新しており、
一般的な日車製車両と比べて屋根がさらに深くなっているのが特徴です。
現在設計中のデハ3451・3452とはこの点も作り分けをしております。
頂いたコメントにもあるように、3DCADで見る場合と実際の模型を肉眼で見る場合の印象はまた異なります。
CAD上でのパースのつき方と実車を肉眼で見たときのパース、模型を見たときのパースは、似せることはできてもそれぞれ異なってしまいます。
こればかりは模型を作成してみないとわからない点ですので、模型の仕上がり状態を意識したうえでCAD設計を行っております。
今後も様々な車両を模型化してまいりますので、引き続き当ブログ及びnano factoryブランドをよろしくお願い申し上げます。
どうもありがとうございます。
今後の製品づくりにも、勝手ながら期待させて頂きたいと存じます。