前回の続きです。

3Dプリンタで造形された車体を組み立てます。
まず、車体裏にできたサポート材を全て剥がしていきます。
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サポート材とボディの付け根は0.1~0.2mmほどとかなり細くなっており、
一気にバリバリとはがせるので気持ちがいいです。

裏側はサポート材がバリのように残りますので、
最初はカッターでこそぎ落とし、その後やすりで削ります。

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裏面は凹凸が少ないのでガシガシ削っていきます。

床板やクーラー、屋根板もメーカーより到着。
これらの素材は全てナイロン焼結です。

クーラーはナイロン焼結の細密度で有効かどうか微妙なところでしたが、
出来上がりは良好のようでした。これもOjスケールだからこそかもしれません。
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3Dプリントの造形範囲を広くとると料金が割高になりますので、
できるだけ重ねられるパーツは重ねて造形します。
今回は床板とクーラーを重ねて造形したため、床にキノコが生えたような造形になっています。
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しかし床板からクーラーを取り外す段階で一か所床に穴をあけてしまいました。
ナイロン焼結は脆そうな外観と違って非常に硬い素材なので、削れにくいのです。
力を入れてこじった時に薄い床板ごと持っていかれたようです。
あとで瞬間接着剤とあまったナイロン材で埋めておきます。


ボディの方は側面×2枚、前面、妻面のサポート材をそれぞれ削ったら、
ゴム系接着剤を使用し箱型に組みます。
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いきなり瞬間接着剤を使ってもよいのですが、
瞬間接着剤は一度硬化してしまうと切り離すのが難しく、
しかも失敗して剥がそうとするとボディそのものが割れてしまいかねないので、
ゴム系接着剤で接着位置を仮決めしてから本固定の際に瞬着を使います。

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クーラーはメッシュを入れました。
このメッシュ、実は医療用ガーゼでできています。
ガーゼを黒く染めたものを重ねて四角く切り、クーラーの裏側から貼り付けています。
しかも黒染は余っていた墨汁で染めています。
有機溶剤塗料より安全かつ確実に染まります。

しっかり作るならエッチングを外注してもいいのですが、試作品ですので。

マスキングテープを外し本接着を終えるとこの通り。
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室内を覗いてみます。
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この実車同様の室内空間もOjスケールの醍醐味ですね。
薄い床板と薄い屋根板のなせる業です。


箱型に組めたらサーフェイサーを吹き付けます。
今回は表面がすでに非常に滑らかなので#1200を吹きました。
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単体の写真では、写真の上ではNとあまり違いが分からないのですが、
Nゲージ車両と並べると一目瞭然。

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ペンや腕時計なんかと比べてると、よりその大きさが分かると思います。

Photoshopで色を付けて、実車と並べてみました。
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サフを塗った段階でうすうす気づいていましたが、Hゴムがゴツい……
また、Hゴムの太さ分貫通扉窓の幅が広く感じます。

一部でOjスケール用に設計変更したものの、
基本はNスケールで設計したものをそのまま3.333……倍してOjスケールにしたものですので、
こういう違和感のある部分も出てしまうようです。
やはり設計の段階からしっかり出力スケールを意識しておかないとダメですね。

でもその他の寸法や割付は良い線をいっているように思います。
実際に塗装してライトケースや窓ガラスを装着するとどう変わるか、見ものです。


造形上記になる点は、やはりこの斜めの筋ですね。
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サフを吹き付けて幾分目立ちにくくなりましたが、やはり光の加減では見えますね。
SLA式光造形プリンタの特徴です。

しかし耐水ペーパーでかるく撫でておけば消えそうです。


床下機器類やその他パーツ類も到着。
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The  って感じですね。

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Agilista製の空気ばねも到着。なぜか龍角散のにおいが……

サポート材を取り除くとこんな感じに
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3Dプリンタの構造上丸みを帯びた部分は積層段差が目立ちますが、
再現性は素晴らしいですね。

台車を組み立てました。
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Agilista製空気ばねがいい感じ。

床板を載せると
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荷重はしっかりと空気ばねで支えています。

惜しむらくはやはりボルスタアンカ受けが車体表現ではないところ。
模型の特性上急曲線通過性能を確保するためには
ボルスタ周辺のどこかで妥協しなければなりません。


さてさて今回はここまでとさせていただきます。


次回は一番重要な塗装編となりそうです。
その後は仕上げ編、完成編で終了でしょうか。