前回からだいぶ時間がたってしまいましたが進んでいます。
まずは床下機器の現状から。
クハ207-900
モハ207-900
モハ206-900
他にクハ206-900とサハ207-900がいますが、
ほとんどクハ207-900と部品が変わらないので割愛します。
とりあえずモハユニットの重厚感あふれる床下機器類がご覧いただけたでしょうか。
特に注目なのが、
207系900番台といえばこのVVVFインバータ制御器でしょう。
左に見えるフィルタリアクトルにも注目です。
機器箱の手掛け表現が大げさな気がしますが、3Dプリント時は0.3mmという極小出力ですので
プリント時にいい塩梅になるよう表現しなければなりません。
手間がかかったのはやはりこれですね。
国鉄車両のコンプレッサーといえばC1000やC2000シリーズですね。
207系900番台に採用されているCPは
205系や211系で採用された"MH3075A-C2000"というC2000系のCPを積んでいます。
従来のC2000系電動機を直流電動機から三相誘導電動機に変更し、ブラシレスとしたタイプです。
わざわざ設計しなくても既製品があるタイプですが、汎用性が高いのでこれを機に設計してみました。
CPだけで1日近くかかってしまいました。
これでも東急8500系の時より設計を簡略化しているのですが……
CPの右は除湿装置です。CPとセットで設置されます。
もう一つ他形式に流用可能で特徴的な機器としてMGが挙げられます。
まくらぎ方向に丸い筒が伸びている形状が独特で、国鉄車両らしさを感じる機器ですよね。
こちらも他社製品から出ていますが、
CPと同様に205系や211系に流用が可能ですので設計しておきました。
いずれ鉄コレ用に床下機器単体で販売してもいいかもしれません。
鉄コレ207系900番台はVVVFインバータ制御器以外は類似品の寄せ集めなので
リアル志向の方には需要があるかも?
床下機器類の製作方法も8500系の時と同様で、実物写真を見比べながら
地道に一つ一つ部品を描いていくだけで、
特段アクロバティックな方法を使っているわけではありません。
基本は
1:2次元的に図形を描く(罫書)
2:3次元に押し出す(ソリッド化)
3:フィレットや面取りを付けて修正する(修正加工)
大事なのは観察力と情報収集力と忍耐力です。
肝心のボディについてはこうなりました。
3Dプリントどこ行った!?って感じですが、
207系900番台製作記事の予告編でお伝えした通り、ボディは"ステンレスエッチング"です。
3D設計を基にAdobe Illustratorで2Dに落とし込み、メーカーさんにお願いしてエッチングしてもらいました。
"エッチング"とは、金属を腐食液につけて穴をあけたり凹凸をつけることです。
電子機器の基盤や銅版画も同様の手法で成形しています。
版画のように穴あけや凹凸をつけたい部分を層に分けてマスクすることで、
2段、3段と彫りの深さを変えることも可能です。
拡大してみました。
普通にエッチングするとエッチング面は腐食して荒れるため、
ツヤを出すためにさらに別工程で表面処理しなければなりません。
8500系や最近のステンレス車はボディのステンレス材がヘアライン仕上げなのでかなり艶があります。
205系や207系900番台は梨地仕上げですからこれでちょうどよいかと思いました。
が、拡大するともうすこし滑らかでもいいかな……
ドア枠・窓枠や側板裾、雨樋などは207系900番台の実車も艶があります。
エッチングの際、実車に合わせて艶部分をマスクしてステンレス素材の表面を残すことで、
素材本来の艶のある部分だけが残ります。
逆に言えば、一度エッチングして凹ませた部分は艶が消えてしまうので注意が必要です。
斜めに光が差し込むと金属の艶加減の差があらわになります。
実車同様の光沢具合が狙い通りでてちょっと感動です!
実は8500系でもエッチングをお願いしていたのですが、
こちらはこんな感じになって失敗していました。
エッチングをかけると残留応力の影響で弓なりに反ってしまうのです。
穴を貫通させずに凹ませるハーフエッチングを多用すると、
ステンレス材ではこのように強い反りが出てしまい、
後で逆方向に強制的に曲げてみたものの元に戻すのは不可能でした。
このままでもボディは組めるのですが、精度が悪くて一旦プロジェクトを中止に……
上手くはまればいい感じなのですがね。
上写真の組立ボディは表面処理済で艶を出しています。
塗装せずとも素材の力でこの表現力!
魅力的ではありました。
今回の207系900番台ではエッチング用の焼き鈍し処理済ステンレス材を取り寄せて製造しており、
反りの問題はほぼ解決しています。
またエッチング枠との繋ぎ(ブリッジ)にも工夫を凝らし、
バリが残っても見た目やはめ合わせに影響が出ないような位置に繋ぎを配置しています。
模型用として一般的な真鍮に比べてステンレスは非常に硬く、バリ取りも大変なのです。
駆け足でご紹介しましたが、ここまでの進捗いかがでしたでしょうか。
次は彩色済の姿をお届けしたいところです。
まずは床下機器の現状から。
クハ207-900
モハ207-900
モハ206-900
他にクハ206-900とサハ207-900がいますが、
ほとんどクハ207-900と部品が変わらないので割愛します。
とりあえずモハユニットの重厚感あふれる床下機器類がご覧いただけたでしょうか。
特に注目なのが、
207系900番台といえばこのVVVFインバータ制御器でしょう。
左に見えるフィルタリアクトルにも注目です。
機器箱の手掛け表現が大げさな気がしますが、3Dプリント時は0.3mmという極小出力ですので
プリント時にいい塩梅になるよう表現しなければなりません。
手間がかかったのはやはりこれですね。
国鉄車両のコンプレッサーといえばC1000やC2000シリーズですね。
207系900番台に採用されているCPは
205系や211系で採用された"MH3075A-C2000"というC2000系のCPを積んでいます。
従来のC2000系電動機を直流電動機から三相誘導電動機に変更し、ブラシレスとしたタイプです。
わざわざ設計しなくても既製品があるタイプですが、汎用性が高いのでこれを機に設計してみました。
CPだけで1日近くかかってしまいました。
これでも東急8500系の時より設計を簡略化しているのですが……
CPの右は除湿装置です。CPとセットで設置されます。
もう一つ他形式に流用可能で特徴的な機器としてMGが挙げられます。
まくらぎ方向に丸い筒が伸びている形状が独特で、国鉄車両らしさを感じる機器ですよね。
こちらも他社製品から出ていますが、
CPと同様に205系や211系に流用が可能ですので設計しておきました。
いずれ鉄コレ用に床下機器単体で販売してもいいかもしれません。
鉄コレ207系900番台はVVVFインバータ制御器以外は類似品の寄せ集めなので
リアル志向の方には需要があるかも?
床下機器類の製作方法も8500系の時と同様で、実物写真を見比べながら
地道に一つ一つ部品を描いていくだけで、
特段アクロバティックな方法を使っているわけではありません。
基本は
1:2次元的に図形を描く(罫書)
2:3次元に押し出す(ソリッド化)
3:フィレットや面取りを付けて修正する(修正加工)
大事なのは観察力と情報収集力と忍耐力です。
肝心のボディについてはこうなりました。
3Dプリントどこ行った!?って感じですが、
207系900番台製作記事の予告編でお伝えした通り、ボディは"ステンレスエッチング"です。
3D設計を基にAdobe Illustratorで2Dに落とし込み、メーカーさんにお願いしてエッチングしてもらいました。
"エッチング"とは、金属を腐食液につけて穴をあけたり凹凸をつけることです。
電子機器の基盤や銅版画も同様の手法で成形しています。
版画のように穴あけや凹凸をつけたい部分を層に分けてマスクすることで、
2段、3段と彫りの深さを変えることも可能です。
拡大してみました。
普通にエッチングするとエッチング面は腐食して荒れるため、
ツヤを出すためにさらに別工程で表面処理しなければなりません。
8500系や最近のステンレス車はボディのステンレス材がヘアライン仕上げなのでかなり艶があります。
205系や207系900番台は梨地仕上げですからこれでちょうどよいかと思いました。
が、拡大するともうすこし滑らかでもいいかな……
ドア枠・窓枠や側板裾、雨樋などは207系900番台の実車も艶があります。
エッチングの際、実車に合わせて艶部分をマスクしてステンレス素材の表面を残すことで、
素材本来の艶のある部分だけが残ります。
逆に言えば、一度エッチングして凹ませた部分は艶が消えてしまうので注意が必要です。
斜めに光が差し込むと金属の艶加減の差があらわになります。
実車同様の光沢具合が狙い通りでてちょっと感動です!
実は8500系でもエッチングをお願いしていたのですが、
こちらはこんな感じになって失敗していました。
エッチングをかけると残留応力の影響で弓なりに反ってしまうのです。
穴を貫通させずに凹ませるハーフエッチングを多用すると、
ステンレス材ではこのように強い反りが出てしまい、
後で逆方向に強制的に曲げてみたものの元に戻すのは不可能でした。
このままでもボディは組めるのですが、精度が悪くて一旦プロジェクトを中止に……
上手くはまればいい感じなのですがね。
上写真の組立ボディは表面処理済で艶を出しています。
塗装せずとも素材の力でこの表現力!
魅力的ではありました。
今回の207系900番台ではエッチング用の焼き鈍し処理済ステンレス材を取り寄せて製造しており、
反りの問題はほぼ解決しています。
またエッチング枠との繋ぎ(ブリッジ)にも工夫を凝らし、
バリが残っても見た目やはめ合わせに影響が出ないような位置に繋ぎを配置しています。
模型用として一般的な真鍮に比べてステンレスは非常に硬く、バリ取りも大変なのです。
駆け足でご紹介しましたが、ここまでの進捗いかがでしたでしょうか。
次は彩色済の姿をお届けしたいところです。
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