昨日に引き続き、思い出深いブルートレインの写真から。

ひとえにブルートレインといっても、思い浮かべるイメージはさまざまでしょう。
皆さんの思い浮かべるブルートレインとはどんな情景でしょうか。

まず車両からして20系なのか14系・24系なのかという違いもありますし、
牽引機も時代や土地に応じてバリエーションに富んでいました。

車内での過ごし方、思い浮かべる走行風景、流れる車窓、
食堂車の揺れるコーヒー、朝の車内販売で目移りするご当地駅弁の数々、
興奮して寝られないかと思えば、いつのまに疲れから熟睡することもあったり。
深夜のホーム、発車時のガクンという客車特有の衝撃、
朝日のまぶしさ、終着駅前のけだるさ・・・・・・

一晩を列車の中で過ごすという実際的な長時間の乗車は濃密で、
それ故にブルトレファンであれば、想起される情景には枚挙に暇がありません。

私はブルトレといえばEF66+14系・24系の世代で、時期的には最末期にあたりますが、
初めて東京駅で見たEF66牽引の富士は感動的なまでに格好良かった記憶があります。

前置きが長くなりましたが、昨日に引き続き
今日は末期の富士・はやぶさの写真をひっぱりだしてきました。


2008年3月某日 寝台特急はやぶさ シングルDX通路にて
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いかにも地方にある昭和のビジネスホテルといった風情のシングルDX通路。
これでもJRになって内装をリニューアルしているのですがね。
東京口の九州ブルトレはあさかぜ1・4号とさくら・みずほの付属編成以外
JR九州が客車を持っていましたが、
これがななつ星を誕生させた会社の内装とは到底思えません。
でも登場当時は国鉄全車両の中でもトップクラスの設備をもつ車両でした。
定員14名ということを考えれば今でも破格といえるでしょうか?

2008年3月某日 寝台特急はやぶさ シングルDXにてIMG_0253-1
個室は木目調の化粧板に張り替えられていたり、
おなじみJR九州デザインのモケットを採用したりとイメージアップが図られています。
テーブルの取っ手を上に持ち上げると洗面台が現れるギミックも健在でした。
しかし如何せん個室の構造がすでに時代遅れでしたね。
登場当時ですら”うなぎの寝床”とか"独房"などと揶揄されるほどですから。

2008年3月某日 下関にて 寝台特急はやぶさ オロネ15 3002
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客室側の外観です。
この細長い窓がずらっと一列に並ぶ姿は特徴的で、個人的に好きなスタイルです。
客船の一等船室にも近いかもしれません。
もっとも船は一部屋にこんな窓が数枚割り当てられるのに対し、
この客車はこの窓1枚分で一部屋ですから悲しいですね。

元々24系25形でしたのでオロネ25を名乗っていましたが、
2005年の14系客車統一により14系組込改造を受けてオロネ15 3000番台へと改番しました。
単独富士、さくら・はやぶさの末期は改造工事のため一時的に連結を外され、
さらに最末期の数日間は改造を終えてオロネ15として運転されていたはずです。
さくらにA個室が連結されたのは20系時代以来だったのではないでしょうか。

2008年3月某日 下関にて 寝台特急はやぶさ スハネフ15 2
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昨日の記事でも書きましたが、
富士やはやぶさにはステンレス帯切妻のこのスタイルの方がなじみ深いですね。
20系や14系と比べると地味で素っ気ないのですが、
その渋さがまた良いのです。

2009年1月某日 横浜にて EF66+14系 寝台特急富士・はやぶさ
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さくらが消え、富士とはやぶさが併結運転になると聞いた時、
ヘッドマークのデザインがどうなるか気になっていました。
さくら・はやぶさの時は薄い色使いだったので、正直ヘッドマーク映えしなかったのですが
この富士・はやぶさデザインは秀逸でした。

こうして振り返るとつい最近のことのような気がしましたが、
来年3月には廃止から10年が経つのですね。
しかし10年経とうが20年経とうがこの列車たちの姿を忘れる日はないでしょう。
それくらい心に刻まれる情景を残してくれたのですから。